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 Bridge Executive Interview 〜 第5回 〜  >>一覧へ戻る

新しい営業スタイルへの取り組み
--- 第5回目は、日本ユニシス株式会社 執行役員 広報部長 田崎 稔氏にお話をお伺いしました。
田崎氏は日本ユニバック株式会社(現日本ユニシス株式会社)に入社後、金融部門の営業部長を経てアウトソーシングビジネスの可能性に着眼し同社アウトソーシング事業を立ち上げられました。その後、2003年に執行役員に就任し、現在は執行役員広報部長としてご活躍されております。 (※田崎氏プロフィールはこちら)

--- 日本ユニシスの広報部の役割 ---

写真右_弊社代表吉田(以下吉田)
「田崎様は現在日本ユニシスの広報をご担当されておりますが、最初に御社の中での広報のあり方についてどのようにお考えでしょうか。」

写真左_日本ユニシス株式会社 執行役員 広報部長 田崎稔氏(以下田崎氏)
「私は当初は金融の営業を担当しておりました。その後金融部門の企画部署を担当したのですが、その活動の中でアウトソーシングの可能性に着眼し、日本ユニシスとしても新たなチャレンジをすべく事業部でアウトソーシングビジネスを立ち上げました。このビジネスの立ち上げ後、全社のマーケティングを担当するビジネスマネジメント本部を経て現在の広報部を担当するようになりました。広報部に限らずどの部門であってもマーケティングマインドが必要ですし、たとえスタッフであっても会社の業績のために何が出来るかを常に考えなければならないと思っています。そこで、ある意味どちらかと言うと待ち受け型の今までの広報のやり方を変えることが必要と感じました。」

吉田:
「一般的に、広報部門はレピュテーションリスクといった危機管理対策として、言ってはいけないことをチェックするような性格的には守りの部署というイメージがある企業もありますが、御社ではかなり営業的な情報発信をされているように感じます。ましてやCRC(カスタマーリレーションセンタ)のようなコンタクトセンターまで持っている広報部は他の企業にはないと思います。」

田崎氏:
「実際にお客様に接しているのは事業部門ですから、その事業部門に貢献するのが広報部であり、そのためには広く会社のことを知っていなければならないと思います。もちろんリリースや記者会見などは一言一句正確性が求められますので完璧にやってあたりまえだと思っています。そうしたいい意味での緊張感を持ちつつ、さらに顧客視点のマーケティングマインドを持って業務を遂行することによって、営業を支援するということを広報部では徹底するようにしています。その結果、現場の営業から相談をうけることも多くなってきたと思いますし、会社の中でも広報部の位置づけが変わりつつあると思っています。」

吉田:
「いわゆる広報というとメディア関連のリレーションが主体ですよね。御社の広報部は営業を支援するための様々なリレーション機能と位置づけているのでしょうか。」

田崎氏: 
「一般的に広報というと、報道関係が主体ですから部員もせいぜい数名程度でしょう。IRを持つ部門もありますが目的が異なるので別部門であることも多いです。だから広報の機能としてはメディアリレーションだけ考えていればよかった。しかし弊社では、広報部で社内外の情報の受発信を一元化し、WEB、イベントやユーザー会であるユニシス研究会、また最近作ったフリーダイヤルのお客様問合せ窓口といった様々なチャネルを活用したリレーション活動を実施しています。広報部の役割としては、メディアだけでなくカスタマーリレーションやマーケティングリレーション、インベスターリレーション、そしてパブリックリレーションが、ますます重要になってきていると思います。」


吉田:
「そうした発想を持たれたのはやはり営業時代のご経験からでしょうか。」

田崎氏:
「そうですね。先ほどもお話しましたが、広報部員にもマーケティングマインドが重要であり徹底するようにしております。例えば、今までの広報の機能としてのメディアリレーションも、メディアへの売り込みと考えれば分かります。ただ単に営業から言われてメディアに情報を提供する橋渡しをしているようでは意味がありません。毎日、営業現場へ出向いてメディアへ売り込むネタを仕入れるようにしなければなりません。自分の場合は、営業時代にはメディアまで乗り込んだものです。今後は、広報が自ら営業部門にコンタクトして、業績に貢献できるように情報を発掘し、発掘した情報を元にメディアに売り込むようにしていかないといけないと思っています。」

吉田:
「営業やマーケティングなどのご経験が広報部を新しいミッションへと導いているのだと思いますが、特に田崎さんが広報のご担当になられてから会社としても大きな変化がありますね。」

田崎氏:
「弊社は再来年に創立50周年を迎えますが、社内外では大きな変動が起きており環境が激変しています。このような環境において、日本ユニシスは変わってきて元気があるという情報やイメージを毎日発信しつづける義務があると思っています。弊社社長の籾井が常々いっているのはスピード感と物事を分かりやすく語るということですが、タイミングよく相手の立場で考えを組み立てて情報を発信するということは営業の基本と考えています。新しい日本ユニシスをどう見せるのかが問われていますし、それを実現できるように日々活動しています。」


--- 日本ユニシスの顧客とのリレーションの維持・向上機能について ---

吉田:
「御社広報部の機能としてCRC(カスタマーリレーションセンタ)がありますよね。御社でこのようなコンタクトセンターを立ち上げられた経緯を教えて頂けますか。」

田崎氏:
「2000年のアウトソーシングを担当していた時代に、米国ユニシスの本社を訪問した際、最初にユニシスのTele Web Centerを見たのがきっかけです。当時でさえグローバルな規模で13カ国語に対応しており、既にセンターではストレージまでも販売していた実績がありました。それをみて日本でも立ち上げる必要性を感じ、日本では『W@TS』という名前でセンター立ち上げにも参画しました。」


吉田:
「米国で、進んだコンタクトセンターを体験したことによって、日本での立ち上げの際のお考えとして単純な営業アポ取得だけでなく、あくまでも営業を支援することを目的として立ち上げられたということでしょうか。」



田崎氏:
「おっしゃるとおりです。とはいえ米国方式を単純に移行するわけには行きませんので、目的としては営業の前線の効率が上がるためにどうあるべきかを考えました。現在はプロダクトセールスにも踏み込んでいます。ただ、もちろんこのような仕組みは商材によって向き不向きがあります。全てが非対面で販売できるとは思ってはおりませんが、単にキーマンを発掘することに加えて、RFPとはいわないまでも営業案件をキャッチするような仕組みを作っていきたいと思っています。」

吉田:
「全てが非対面に置き換えることが出来ないのは同感です。また、御社は優秀な営業が多いと思いますが、そこから自分たちの顧客を他人に任せるという発想転換はなかなか難しいのではないかと思います。」

田崎氏:
「確かに営業にとってみれば、非対面で売れるのかとか、お客様の顔が見えているのかといった疑問があるのも事実です。全てのお客様にこのような仕組みが提供できるとも思っていません。お客様によって向き不向きがありますから、一律に同じようなメニューを提供するのではなく、時間軸で短期的にはイベント支援、中期的にはソリューションベースの見込客発掘など、そのお客様のセグメントに適したアプローチを実施することにより、営業の成績と業務の効率化に役に立つ実績をつくっていくことが必要だと思っています。実際ある営業部はお客様との関係構築には、必ずこの仕組みを利用している部署もあります。」

吉田:
「確かに営業のやり方やお客様によって、営業プロセスを分業するのは向き不向きがありますね。最終的にはお客様に日本ユニシスの価値を訴えるためには営業のやり方に応じた支援の仕組みが必要ですね。」

田崎氏 
「営業を実際にやっていれば、お客様との対話の時間が長ければ長いほど成約率があがることを単純に理解できます。提案書をメールで送っておいてくれと言われた場合、それで成約できるわけがありません。従って、何でもやらなければならない営業の負荷を減らしつつお客様に対して定期的な情報の受発信を行う仕組みによって、会社としてお客様との関係を深め、手厚いサポートができるようにすることが重要です。」

--- 今後の日本ユニシスの広報が担う役割について ---

吉田:
「今まで様々な変革を実施されておりますが、直近の取り組みや今後の課題などがあれば教えて頂けますか。」

田崎氏:
「最近の取り組みといえば、フリーダイヤルのお客様の問合せ窓口の仕組みを開設したことです。ある時、社長との会話の中で、顧客視点から考えた場合に代表電話だけではお客様に面倒を掛けているのではないかと考え、さっそく専用の問合せ窓口を作りました。この仕組みの特徴は、電話で対応した社員がワンストップで最後まで責任を持って対応するということです。そのためには、問合せに対して全社員の中で誰であれば対応できるのかというデータベースが必要です。以前、ビジネスマネジメント本部のときに構築したナレッジデータベースによって、この案件はどこの誰に聞けばよいかが、すぐに分かるようになっています。また問合せの進捗の履歴も全て管理できる仕組みがありますので、最後まで担当者が責任を持って対応することが可能です。このお客様窓口の仕組みはお客様から大変高い評価を頂いています。」

吉田:
「御社は新しい取り組みも早いですし、改善への対応も素早いですね。田崎さんも非常に意思決定が早いと感じます。」

田崎氏:
「当社はもともとスピード感がありますし、対応はどの会社よりも早いことを目指しています。一度思ったらとにかくすぐやる。もし駄目ならすぐやめるという判断基準を盛り込んだEXITプランも考えておくというのがこの場合重要です。また、私個人の考えとして、とある本で読んだのですがとてもいい言葉があるのでご紹介します。【スピードにリスクはつきものだ。ただ、そのリスクを超えるスピードさえあれば、リスクなど恐れることはない】という言葉です。まさにスピード感をもってやりきることが成果を生むためにも重要であると思います。」

吉田:
「田崎様を表すにとてもいい言葉ですね。なかなかエンジンがかからず一度始めたら逆に退出するのも難しいというのがどこの企業でも問題になりますからね。逆に今後の課題や施策などはありますか?」

田崎氏:
「課題というか今後の方向性としては、日本ユニシスというグループ全体のインフラとしての広報部というように考えていきたいと思っています。PRやCRC、ユニシス研究会といった各機能が広報部にありますから、各機能のシナジーを通して、グループの視点からムダ・ムリ、カブリ、モレを省きグループ広報としての効率向上を追求していきたいと思っています。その中で特に今年度は当社のユーザー会であるユニシス研究会を通じた会員企業様の満足度向上を重要と考えています。研究会活動の充実・拡大を図ると共に、情報発信を強化することによって研究会活動を通じたお客様とのコミュニケーション促進を図っています。当社の顧客でありファンであるお客様の生の声、直接の担当営業には言いにくい本音をお聞きすることができることは、非常に重要と考えています。」



吉田:
「田崎さんが広報のご担当になってからますます担当する範囲が広がっていませんか?」

田崎氏:
「さらに、全国の主要都市で当社グループの社長、役員、事業部門長などがお客様とお会いし、生の声をお聞きするタウンミーティングも今年度から広報が担当しています。おっしゃるように私が担当になってから随分仕事が増えたと部下から言われます(笑)。ただ、私は広報のミッションは、IR、PRは無論のこと、カスタマーリレーションとマーケティングリレーションだと思います。今までのマーケティング&コミュニケーションを越えたリレーションが必要であろうと思います。」

吉田:
「現場からスタッフ、広報と様々な仕事をされている田崎さんのバイタリティは素晴らしいですね。最後に、田崎さんの仕事をするうえでのモットーがあればお願いします。」

田崎氏:
「私はどの仕事をしていても楽しそうに仕事をしていると言われます(笑)。私の考えとしてですが、自分の仕事の適性は本人には中々分からないと思います。自分のライフプランと大きくずれない限り、これをやりたいとか嫌だというのではなく、アサインされた仕事に対しては常にベストを尽くすことを心がけています。勿論、向き不向きが伴いますが、上司が適性と思ってアサインされた仕事に対してベストを尽くせば自然と結果が出るものだと思っています。それがどんな仕事でも楽しそうといわれる所以ではないか、と思っています。」

吉田:
「本日は長時間貴重なお話を有難うございました。」


Profile

田崎 稔(たさき みのる)氏
日本ユニシス株式会社
 執行役員 広報部長 ユニシス研究会事務局長

1979年 日本ユニバック株式会社入社
(1989年 日本ユニバック(株)とバロース(株)の合併で日本ユニシス(株)となる)
2003年 同社 執行役員 アウトソーシング事業部長 就任
2003年 同社 執行役員 ビジネスマネジメント本部長 就任
2005年 同社 執行役員 コーポレートコミュニケーション室長 就任
2006年 同社 執行役員 広報部長 ユニシス研究会事務局長 就任 (現在)